マスカットベリーエイの旬や美味しい季節、栄養や効用について

あらまし

マスカットベリーAは新潟県上越市にある原葡萄園の創業者、川上善兵衛がアメリカブドウ、ラブルスカの「ベーリー」にヨーロッパブドウ、ヴィニフェラの「マスカットハンブルグ」を交配してできた種で、1940年に発表されました。

生食もされますが国産ワインの原料としての用途がもっとも多く、2013年に国際ブドウワイン機構に品種登録されました。これは日本産葡萄として甲州種についで二番目の認定となりました。現在では全国で栽培されており、作付け面積のトップは富山県です。

糖度20度前後という甘みとともに酸味もある濃厚な味を特徴としています。葡萄狩りの品種としてもポピュラーであり、たくさんの葡萄の房がたわわに実る園のすがたはどことなく牧歌的で、まるで童話の物語世界のなかに迷い込んだようです。

マスカットベリーAのワインにはりんごのような果実の香りがあり渋みとのバランスもよいことから肉料理や魚料理と相性が良く相手を選びません。

旬の時期

８月から１０月頃まで。

栄養成分

主成分の糖質のほかビタミンB群、ビタミンCや ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、鉄などのミネラルを含みます。そして特筆すべき栄養成分としてポリフェノールがあげられます。

効能

「糖質イコールダイエットの大敵である」という極端なイメージをお持ちの方も見えるようですが、ブドウ糖は実際には脳の活動のエネルギーとなる大変重要な栄養素で、集中力アップにも欠かせません。

疲れを感じたときなどは、はやめに摂取することが大事です。　赤シソなどにも含まれるポリフェノールには抗酸化作用をはじめとして動脈硬化の予防や発ガン物質の生成を抑制するなどさまざまな効果が期待できます。

近年の研究でポリフェノールの成分のひとつである「レスベラトロール」には血圧の正常化や動脈硬化の予防、認知症になるのを防いだり、人体の寿命そのものを伸長させる効果が確認されています。

マスカットベリーAをはじめとする葡萄の果皮に豊富に存在する成分です。

形や色の特徴

黒っぽい小さな実をつけます。皮を剥いた表面は赤紫色をしており、果肉は緑色で見るからに健康によさそうな印象を与えてくれます。

代表的なレシピ

生食するのが一般的です。食べるときは皮を剥く必要があり、それはジュースなどをつくるときも同じです。牛乳と混ぜてミルクジュースにすれば程よく酸味のきいたふくよかなあじわいを楽しむことが出来ます。

家庭における保存方法

房のまま保存する場合は、洗わずに新聞紙にくるみ、さらにポリ袋などに入れれば冷蔵庫の野菜室で10日程度保存できます。実の表面についた粉はブルームと呼ばれ、鮮度を保ってくれる働きがあるので、食べる直前に洗い流しましょう。

粒ごとに凍らせる場合は手で房からむしってしまうと、果汁が漏れて傷みやすくなるため、すこし面倒ですがハサミで軸を2〜3mm残すようにして切り離し、密封袋にいれて保存しましょう。

生食する以外にもタッパにいれて冷凍庫で凍らせれば、シャーベットのようにして召し上がれます。夏場の暑い時期などに食後のデザートとしていかがでしょうか。

店における食べ頃

８月下旬から10月初旬が出荷の最盛期で食べ頃です。実が熟しすぎていなくてやや固めなうちが、おいしく召し上がれます。マスカットベリーAはワインの原料にも使われる品種であり、皮に多く含まれるポリフェノールを摂取したいのであれば（やや固いですが）皮ごと食べるのもよいかもしれません。

マスカットベリーAでジャムをつくることもできます。砂糖と一緒に皮の色素が煮汁に染み出すまで鍋で煮て、自然に外れてきた皮は取除きます。これにレモンの果肉をくわえ、アクをとりながら煮詰めれば完成です。煮沸消毒した瓶で保存しましょう。