ムツの旬や美味しい季節、栄養や効用について

あらまし

陸奥は1930年に青森県りんご試験場で印度りんごとゴールデンデリシャスとを交配してうまれた大型のりんごです。

甘み・酸味・香りのバランスが良くイギリスの品評会でキングオブアップルと褒め称えられたほどです。青森を含む地域が昔、陸奥国（むつのくに）と呼ばれていたことが名前の由来となりました。

海外で「Crispin」の名で流通しているものは本来の黄緑色をしていますが国内の陸奥は育て方によって3種類にわけられます。

まず袋をかけずに生育し黄緑色をしたものはサン陸奥と呼ばれます。つぎに収穫の1ヶ月前まで3ヶ月間ほど袋を被せて遮光し、そのあと急激に強い直射日光にさらして赤い色素を合成させ、紅色にしたものが私たちにおなじみの陸奥となります。

そしてずっと袋を被せたまま生育され白いままのものがシルバー陸奥です。結婚式などで見かけるお祝い品として「寿」の文字や縁起の良い動物等の絵が施されたものは上記の生育法を応用したものです。

味としては太陽をいっぱいに浴びたサン陸奥に軍配があがりますが、紅い陸奥はやはり見た目が華やかで贈答用として安定した人気があります。 　

旬の時期

収穫は10月から11月に行われます。貯蔵されたものは翌年の夏ごろまで美味しくいただけます。

栄養成分

栄養価は高く食物繊維やビタミンC、ミネラル、カリウムが豊富です。果皮にはポリフェノールが多く含まれています。

効能

リンゴにまつわるイギリスのことわざで「1日1個のりんごで医者いらず」というものがあります。

リンゴ１個に含まれる食物繊維が４〜５gなのに対し、1日に必要な食物繊維摂取量の目安は約18gなので実行すれば日頃の食事での不足量を十分補えそうです。

ポリフェノールには抗酸化作用があり細胞の老化・ガン化を防ぎます。近年の研究ではアルツハイマー病の予防にも効果が認められています。

形や色の特徴

黄緑色、紅色、白色の３色があり重さは400ｇ以上とかなり大き目のリンゴです

代表的なレシピ

陸奥はきめが粗く加熱に向かないため生食が理想です。また野菜ジュースのベースとしてミキサーで人参などお子様が苦手な野菜と混ぜれば、のみやすいスムージーが手軽に作れます。

家庭における保存方法

陸奥などのリンゴは家庭の冷蔵庫で保存することが出来ます。この際はビニール袋に入れておかないとリンゴからのエチレンガスが冷蔵庫の他の内容物を傷めてしまうので注意しましょう。中生種である陸奥をこの方法で長期保存することは難しいため、はやめに食べきるようにしましょう。

陸奥でジャムを作って保存する方法もあります。陸奥とその重さ4分の1の量の砂糖を鍋で加熱し、好みの硬さになったらレモン汁を加えてから少し煮れば出来上がりです。煮沸消毒した瓶で保存しましょう。

　

店における食べ頃

　 陸奥は10月下旬から11月上旬に収穫されます。貯蔵技術の進歩により現在では翌春まで出回ります。この方法はCA（=controlled atmosphere）貯蔵とよばれ二酸化炭素・酸素の濃度に加えて、温度・湿度を調整することにより長期間、新鮮なままで保存が出来ます。
　
あまり大きすぎるリンゴは大味な傾向があるので中玉を選ぶのが無難です。そしてなるべくずっしりと重いものは鮮度がよく果汁が多く含まれている証拠です。
　
熟成が進んでいるものは、よい香りがします。匂いをよく嗅いで選ぶのが決め手です。