ワセフジの旬や美味しい季節、栄養や効用について

あらまし

早生ふじはふじが枝変わり（突然変異が特定の枝のみで起こる現象）をした品種の総称であり、このなかには「やたか、ひろさきふじ、昂林、紅将軍」がふくまれ、ふじよりはやく成熟するのが特徴です。甘みと酸味のバランスが良く味の良いりんごです。

寒冷地におけるふじの収穫は降雪により困難を伴う場合も多いため、ふじより１ヶ月程度はやい早熟りんごには作業の手間を軽減する面で生産者の方にメリットがあります。

やたかは酸味がやや弱く蜜の多いりんごで貯蔵性が良いのが特徴です。生産者の方の家族三人の名前から頭文字をとって名づけられ、1987年に品種登録されました。

ひろさきふじそれ自体は品種登録されていませんが、ひろさきふじを糖度の高さで選抜したものは夢ひかりというブランドで商標登録されています。

昂林はふじの交雑種とみなされるほどふじと良く似た見た目と味で、見分けがつきにくいほどです。その約半分が青森県で栽培されており山形県、秋田県でも生産が盛んです。

紅将軍はやたかが更に枝変わりしてできた品種で1993年に品種登録されました。着色が良く縞が少ないのが特徴で味はやはりふじに似ています。

旬の時期

10月初旬から収穫が始まり、11月頃まで出回ります。

栄養成分

糖質のほかペクチンを主とする食物繊維が豊富で果皮にはポリフェノールが多く含まれています。酸味の元はクエン酸とリンゴ酸です。

効能

植物性食物繊維のペクチンには便秘・下痢症状の改善などの整腸作用のほかにもコレステロール値を下げ動脈硬化を予防する働きがあります。

ポリフェノールには細胞の老化・ガン化を抑制し身体を若く保つ作用があります。
クエン酸・リンゴ酸には唾液の分泌を促し消化を助けるとともに疲労回復効果があります。

形や色の特徴

紅色の果実の重さは300から350gが平均ですが大きいものは500ｇにもなります。ふじよりも概して大きく円形に近い形です。

代表的なレシピ

早生ふじの甘みを生かした煮リンゴがおすすめです。リンゴの皮を剥き、くし切りにしてレモンの薄切りを加えたら砂糖と水を足して火にかけます。

好みの固さになるまで煮詰めたら出来上がりです。クセの無いさっぱりした味わいでヨーグルトと一緒にしたりアップルパイの中に入れたりといろいろな用途で使えます。

家庭における保存方法

直射日光の当たらない冷暗所で保存してください。冷蔵庫で保存するときは乾燥を防ぎ、リンゴからのエチレンガスが他の内容物を傷めるのを避けるため、必ずビニール袋に入れてください。早生ふじに代表される収穫時期の早い“早生リンゴ”は柔らかくなりやすい傾向にあるため、保存期間の目安は10日間ほどです。できるだけ早めに食べきるようにしましょう。

食べきれない場合はリンゴジャムにするのもよい保存方法です。リンゴの重さ4分の1の量の砂糖と皮をむいて一口大に切ったリンゴを鍋で煮て、好みの固さになったらレモン汁を加えて仕上げ、煮沸消毒した瓶で保存してください。

店における食べ頃

10月中旬から11月頃がピークシーズンであり、おいしく召し上がれる時期です。広い意味での早生ふじには「やたか」、「ひろさきふじ」、「昂林」、「紅将軍」などの銘柄も含まれ、いずれもふじと似た味で甘みと酸味のバランスがよいのが特徴です。

りんごはおやつの果物としてだけでなくサラダに仕立ててもおいしくいただけます。同じサイズにいちょう切りにした大根、かいわれ大根と混ぜ合わせてドレッシングをかければシャキシャキとした食感が楽しめます。新鮮な早生ふじが手に入ったら是非トライしていただきたい一品です。